"狩猟女子"あなたも! 畠山千春さん講演会いってきたよ
「食べ物から、自分の暮らしを見つめなおす。福岡・糸島で狩猟に挑戦」
鳥をしめて食べる解体ワークショプや「いとしまシェアハウス」でおなじみ猟師/ライターの
畠山千春さんのトークイベントが天草でありました。
▶︎畠山千春さんTwitter: https://twitter.com/chiharuh
▶︎ブログ:ちはるの森 chiharuh.jp
▶︎書籍「わたし、解体はじめました ─狩猟女子の暮らしづくり─」
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今回のトークイベント主催の天草市の河浦まちづくり協議会は、農林業に有害なイノシシやシカなど
の野生鳥獣を駆除するハンターが高齢化で年々減少する中、新たな担い手を発掘することを
目的として講演会を開催。同協議会では地域づくりとして2年間、イノシシを食べるジビエ料理の
開発に取り組んで来たそうです。
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「暮らしを自分たちでつくる」
食べ物・エネルギー・仕事を自給する「いとしまシェアハウス」の畠山千春さんがみつけた、
お金にだけ依存しない暮らしの豊かさ ◀︎greenz.jpさんの記事にとべます。
福岡・糸島で「一人一芸」様々な「手に職」の方と暮らしをつくっているそう。
「猟師」「料理人」「酒蔵の蔵人」「ヨガの先生」「パタンナー」「整体師」など多様な集団。すごい!
これが話を聞くからに素敵なところでして。
集落の様子、食の豊かさ、棚田の美しさ、海あり山あり川ありの糸島の良さが
ひしひしと伝わってきて行きたくなりました!(行きます、糸島!)
ああ写真に切り取られた生活が美しい。
写真見れます▶︎KINFOLKのフォトグラファーが撮影した糸島の暮らし。
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きっかけは3.11
持続可能な暮らしへのきっかけは3.11だったそうです。
流通が止まることで過度な買占めが起きたり、都市部で消費するだけのシステムの中で暮らすことへの疑問。
「いざという時、お金が役に立たない」という危機感から糸島の古民家での暮らしをスタートさせた。
信頼できるコミュニティと暮らしの基礎になる部分を自分の手で作っていこう
(全て出来なくてもやり方を知っている強み)という生き方に舵を切った、と。なんてパワフル!
東日本大震災以降の考え方・世の中の捉え方にはとても共感することが多く、
都内で311を経験した僕としては当時のことがフラッシュバックし、何かしなきゃいけないんだけど、
ただ焦りながらオロオロしてた気持ちを思い出した。
(東日本大震災と福島第一原発事故が天草の方にどれだけリアルに感じたのかは分からないが、
震災のスライドの際はタメ息とどよめきが混ざったような声がもれる)
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「田舎の当たり前は、都会の贅沢」
いかにして地域の資源を活用して 外から人を呼び込み お金を落としていってもらうか、
といった地域交流・地域おこしを発展させていく上でハズせない考え方と実践例が
詰め込まれた企画や提案ばかりで素晴らしい!そう、そう!って感じ。
トーク中に出てきた柑橘の収穫体験、田植え稲刈りのワークショップにしても
「本当だったら給料払って仕事としてやってもらわなイカンもんを、
イベントにしてまたお金取っとるんやろ〜」と集落の方には言われるそうだけど笑
ここの感覚が大事で。お金を払ってでも体験したいコンテンツが田舎にあるぞ!
と思わせれる発信力・田舎の体験を都会のセンスで提案できる視点を持っている
というのが強みだと感じました。
ワークショップではお土産として、収穫した物や体験を実生活に持ち帰れるような工夫
をしているとの事。いいですね。 収穫した稲がリュックから飛び出てたり笑
そして都会には田舎ならではの体験をしたいと思っている人が潜在的にいることを知っている。
きっと千春さんご自身がそうだったからじゃないかなーと思ったり。
地方を目指す後続の人たちへの道しるべ的な発信も見習わなければと思わされます。
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「食べることは生きること」家庭菜園のように狩猟をする
我々が生きていくうえで切っても切り離せない「食べる」という行為。
面白いなと思ったのは、「狩猟やってます」というと「あ、アレだ!マタギだ!」と言われることに
違和感があって・・・。家庭菜園なのに「あなた農家ですね!」と言われているような
感覚になる、というお話。
すごく納得というか、現代日本において食べ物を自給するということが
それほど生活から切り離されているということなのでしょう。
文庫本「僕は猟師になった」の 千松信也さん@ssenmatsu も同じように書かれていて、
あくまで自分の生活の延長線上に狩猟があるというスタンスがとても興味深く、
取り入れていきたい・多くの人と共有したい感覚でした。
▶︎ぼくは猟師になった (新潮文庫)
木についた傷や足跡からシカやイノシシの気配を探る。網をしかけ、カモやスズメをとる。
手製のワナをつくる。かかった獲物にとどめをさし、自らさばき、余 すところなく食べ尽くす――。
33歳ワナ猟師の日常は、生命への驚きと生きることの発見に満ちている。
猟の仕方、獲物のさばき方から、日々自然と向き合う 中で考えたことまで。
京都の山から生を見つめた若者猟師の等身大の記録。
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ジビエ(野生肉)の活用に関して
最初に食べた野生肉がその人のジビエ観を決めてしまう。
市販のお肉と野生肉は似て非なる物で、育ってきた環境が違うから当然といえば当然なのですが、
美味しいジビエ料理にするには下ごしらえや、調理方法などそれぞれのお肉の状態に応じて
ひと工夫が必要ではないかとのことでした。
例えば、
・お酒につけて臭みを取る。
・にんにくとしょうが、スパイス漬けする
・肉の状態(若い、高齢、柔い、硬い)に合わせて調理法を変えてみる
などなど。
初めてのジビエが美味いかどうかで、その後の野生肉との向き合い方が変わってくる。
ということはいかに美味しい出会い方をするかがキーになってきますね。
現状、日本でのジビエ文化の浸透、一般の市場に出回る野生肉へのレシピや食べ方の提案、
市場価格の調整等がまだまだ取り組む課題が多そうです。
(熊本ではAEONさん系列のスーパーで猪肉の取り扱い店舗があるのです、ただ少し割高。)
熊本では、県としてジビエを盛り上げていこうという動きもあり今後要注目ではあります。
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獲った動物は使い切る
食べれる部分は無駄なくいただき、獲った野生動物の革もなめしてプロダクトにしているそう。
当日会場には獲ったイノシシやシカで作られた革製品の展示もあり
・アクセサリーから蝶ネクタイなどの革小物
・ちょっとしたパーティーに使えそうな女性に合うクラッチバッグ
・丸々一頭の鹿革リュック
・革靴(!)
手にとって見れたのだけど仕留めた獲物をここまで使い切れるなんてホントに凄い!
NZで出会った友人の革作家さんBLESS LEATHERの作品もコンニチワ!
シェアハウスの本当にご近所さんらしい。(行きます、糸島!)
▶︎革細工とニュージーランド雑貨のお店 BLESS LEATHER
▶︎糸島の猪革でBLESS LEATHERさんとコラボします!@糸島クラフトフェス
野生動物の革というのは、製品加工にするには難しさがあるそうです。
革の厚さ、柔らかさ、傷の具合など状態が均一ではないし、野生のそのたくましさゆえ
どこで何してたか分からないので大きい傷があったり。。。
それが逆に個性や味や価値だと思えるお気に入りに出会えたら最高の一点モノになるはず。
ぜひ、お財布を新調するときはお願いしたい次第です。
今回のお話を聞いて普段の使っている道具や食べ物がどこからやって来ているのか。
命をいただくとはどういうことか。
根源的な問いに思いを馳せる良い機会になりました。
今年度は狩猟免許取りに行こうと思います!